言わずと知れたサザンのデビュー曲。“茅ヶ崎”や“江の島”が歌詞に登場する、湘南ご当地ソングでもある。原曲のテンポは遅かったそうだが、斎藤ノブ氏のアレンジにより、サンバ色の濃いテンポの速い曲となった。
「勝手にシンドバッド」の名前の由来は、当時ヒットしていた沢田研二の「勝手にしやがれ」とピンクレディーの「渚のシンドバッド」を合体させただけという話は有名。原さん曰く、「桑田が最初にこの曲を持ってきたときは、『勝手にシンドバッド』というタイトルは(仮)かと思った」んだとか。
リリース翌月の「ザ・ベストテン」(TBS系)に出演した際には、新宿ロフトからのライブ中継だった。司会の黒柳徹子さんの「桑田さ〜ん!」との呼びかけに、「僕たち、目立ちたがりやの芸人で〜す!」と叫んでいたシーンが印象深い。「夜のヒットスタジオ」(フジ系)にはジョキングパンツ姿で出演。歌詞が聞き取りにくいという理由で画面下に歌詞テロップが流されたが、これは同番組始まって以来の出来事。歌詞のテロップが流れるのは今でこそ当たり前だが、当時としては異例のことだ。
この曲が世に出た際には、かなりの物議をかもした。歌詞の一貫性もなく、何を歌っているのかを聞き取りにくいうえに、そもそも何を伝えたいのかも分からない。今までの音楽界の常識をひっくり返すようなこの曲は、保守的な人間には非難され続けることに。最終的には、辞書の監修でお馴染みの国語学者・金田一春彦氏まで登場。「日本語としておかしい(*1)」と批評された。しかし、金田一氏も日本語としての正誤をコメントしたに過ぎず、音楽的な否定をしたわけではない。その証拠に、メロディに日本語を当てはめていく桑田流の手法は瞬く間に若者の間で市民権を得るようになり、その後の歌手にも多大な影響を与える。この曲は一種の革命を起こし、日本の音楽界の大きなターニングポイントとなった。
デビュー25周年の2003年には「勝手にシンドバッド」を再発売。25万セット限定の初回限定盤「胸さわぎのスペシャルボックス」には、オリジナルデザインのジョギング・シャツやサンバホイッスルといった特典が付いた。同年7月7日にはシングルチャート1位(オリコン)を獲得。発売から25年を経て初めて1位を獲得した。
C/Wの「当って砕けろ」はスキャット(*2)に挑戦。歌詞の最後にシャウトしている「うぅ〜、WANTED〜♪」は、当時流行していたピンクレディーの同名曲からとったもの。
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