音楽評論家・佐伯明の言葉を借りれば、「トリッキーなバンドと思われがちであるが、自分たちに影響を与えた音楽にきちんと返礼するまじめな楽曲が多いことが分かる」作品。デビューアルバムらしい、音楽サークルの雰囲気をいい意味で引きずったままの初々しさが残っている。前年には「East West」コンテストの決勝大会で入賞し、桑田佳祐が「ベストボーカル賞」を受賞している。ボーカルの素晴らしさも然ることながら、曲作りの才能も見せつけられる傑出アルバムだ。
ジャケットは、黄色の背景にメンバーの全身コラージュ、赤いサザンオールスターズの斜め文字。後のアルバムジャケットでは見られない、メンバーが全面に押し出された格好だ。このジャケットデザインに決定した経緯について、こんなエピソードがある。関口さんによると、
「デザインを担当した小島氏は最初、黒からオレンジにグラデーションがかかっているバックに、サザンオールスターズという文字を斜めに大きく入れただけのジャケットデザインを持ってきた。それを高垣さん(ビクターのディレクター)が見て、『もっとレコード屋の店頭で目立つような色の、とにかくハデなやつにしてください。メンバーの顔も全面に出るような』と再考を依頼した。つき返された小島氏は、半分怒りと半分開き直りで、あのようなジャケットにした」
らしい。高垣伝説は多々聞かれるが、デビューアルバムにも伝説はあったようだ。
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